ゲームは体験を設計する制作物
世界観や素材の前に、「プレイヤーが何を見て、何を判断し、どう反応するか」を作る仕事だと理解します。
この資料は、会議の台本ではなく、会議に臨む前に全員が同じ前提知識を持つための教材です。ゲームがどう作られるか、どんな作業が発生するか、何にいくら必要か、どこで公開できるか、4人でどう分担するかを、企画を決める前の共通言語としてまとめています。
目的は、企画会議で扱う論点の意味を理解できる状態になることです。企画アイデアを話す前に、ゲーム開発の構造、費用、実作業、公開、権利の基礎を同じレベルまでそろえます。
世界観や素材の前に、「プレイヤーが何を見て、何を判断し、どう反応するか」を作る仕事だと理解します。
小さなゲームでも、プログラム以外に、アート、音、UI、QA、ストア準備、法務整理が発生します。
初期は無料中心でも、Steam登録費、素材、音、外注、広告、PC購入などの予算判断が必要になります。
「やりたい」だけでなく、作業量、予算、公開先、権利、チーム体制を踏まえて企画を選べるようにします。
以下の言葉を完璧に使いこなす必要はありません。ただし、会議や制作中に出てきたときに「何の話をしているか」が分かる状態を目指します。
ゲーム開発はプログラミングだけではありません。小さなゲームでも、5つの層と「作って・遊んで・直す」流れが必要です。
| 層 | 何をするか | 初心者が誤解しやすい点 |
|---|---|---|
| 企画・ルール | 体験、ルール、成功/失敗、難易度を決める | 世界観や設定を先に大きくしすぎる |
| プログラム | 入力、移動、判定、UI、ビルドを動く形にする | エンジンを選べば自動でゲームになると思う |
| アート | 背景、キャラ、UI、ライティング、演出を作る | 見た目の量が制作期間を圧迫する |
| サウンド | BGM、効果音、環境音、音量調整を扱う | 最後に入れればよいと思いがち |
| 体験の土台 | タイトル、設定、セーブ、説明、アクセシビリティ | 本編以外を省くと製品として遊びにくい |
何を感じさせるかを1文にする。
観察、判断、行動、結果を書く。
仮素材で遊べる最小版を作る。
初見の人に遊んでもらい記録する。
面白さが見えた後に量を増やす。
ストア準備、QA、発売、パッチへ進む。
参考作品から学ぶべきなのは、見た目や舞台ではなく「プレイヤーに何を観察させ、何を判断させるか」です。
コアループは、プレイヤーが何度も繰り返す基本行動です。短時間インディーでは、この輪が分かりやすいほど配信やSNSで伝わります。
| 作品/型 | 学ぶ構造 | 小規模向きの理由 | 真似してはいけないこと |
|---|---|---|---|
| 8番出口型 | 1行ルール、観察、短い反復、違和感の発見 | 限られた舞台でも成立しやすい | 通路、標識、演出、名称を表層模倣する |
| MECCHA CHAMELEON型 | 強いフック、配信参加、見て分かる勝敗 | 映像で伝わりやすい | 初回からオンライン対戦を抱え込む |
| 短編ホラー/観察系 | 音、間、限定空間、予測と裏切り | 素材量を絞れる | 既存作の舞台・怪異・固有表現を寄せすぎる |
10秒で説明でき、見ている人が「自分も分かる」と感じること。
驚き、失敗、気づき、笑いが画面上で伝わること。
フックが弱いまま、素材量やストーリー量で埋めようとすること。
最初の成果は完成版ではなく「遊べる検証版」です。面白いか分からないものを本制作しないための期間です。
| 最初に作る | まだ作らない |
|---|---|
| 3〜10分で終わる1ループ | 長編ストーリー |
| 仮の見た目と音 | 完成品質の全素材 |
| 成功/失敗が分かる判定 | ランキング、実績、課金 |
| 簡単なタイトル/リトライ | モバイル/コンソール移植 |
| 期間 | 現実的な完成物 | 向いているゲーム | 避けるもの |
|---|---|---|---|
| 3ヶ月 | 無料公開/小額販売の超短編、縦切りデモ | 1舞台、1ルール、5〜15分 | 多数ステージ、オンライン、長編 |
| 6ヶ月 | Steam/itch.io向け短編 | 15〜30分、配信向き、繰り返し | 広い探索、複雑AI、ボス多数 |
| 12ヶ月 | 低価格帯の完成版 | 30〜90分、短編ホラー/謎解き/アクションパズル | オープンワールド、MMO、長編RPG |
ゲーム開発は「アイデアを出す」「コードを書く」だけでは終わりません。遊べるものにするまでには、企画を検証し、素材を作り、操作感を整え、バグを潰し、公開用の情報を作る作業が並行して発生します。
「ゲームを作る」では大きすぎます。入力、カメラ、判定、UI、SEのように、1〜2日で確認できる単位へ分解します。
初心者は実装時間より調べる時間が長くなります。見積もりには「作る時間」と「覚える時間」の両方があります。
ストア画像は画面がないと作れず、QAはビルドがないとできません。前の成果物が次の作業を支えます。
「頑張った」ではなく、「他人のPCで動く」「初見が遊べる」のように確認できる状態で終わらせます。
下の時間は、学習時間を除いた粗い目安です。初心者チームでは、初回だけ調査・詰まり・やり直しで2〜3倍かかることがあります。
| チケット例 | 目安工数 | 前に必要なもの | 完了条件 | 主担当例 |
|---|---|---|---|---|
| プロジェクト作成とGit初期設定 | 2〜6h | エンジン候補、共有アカウント | 全員が同じプロジェクトを開ける | 実装 |
| プレイヤー移動とカメラ | 4〜12h | 操作方針、視点方針 | 歩く、見る、止まる、酔いやすさを確認できる | 実装 |
| 白箱ステージ作成 | 3〜8h | 1プレイの長さ、導線 | 仮の形だけでスタートから終了まで移動できる | 体験設計/アート |
| コアギミック試作 | 8〜24h | 観察、判断、行動、結果の定義 | 1回の成功/失敗が判定され、結果が返る | 実装 + 体験設計 |
| タイトル/リトライUI | 4〜10h | 画面遷移方針 | 起動、開始、失敗、再挑戦、終了ができる | 実装/アート |
| 音量設定とSE再生 | 3〜8h | SEリスト、音量基準 | 操作/成功/失敗の音が鳴り、音量調整できる | 音/実装 |
| 初見テスト用ビルド作成 | 2〜5h | 最低限遊べるプロトタイプ | 開発者以外のPCで起動し、録画/報告できる | 実装/QA |
| 初見プレイテスト1回 | 2〜4h | テスト用ビルド、質問項目 | 録画、観察メモ、改善点、重大バグが残る | QA |
| バグ整理と優先度付け | 1〜3h/回 | バグ報告、再現手順 | S/A/B/Cに分類され、担当と期限がある | QA + 実装 |
| Steam/itch.io説明文ドラフト | 3〜8h | 体験1文、特徴、プレイ時間 | 初見が内容を誤解せず、検索用語も入っている | 公開 |
| カプセル画像/キービジュアル案 | 6〜20h | 画面方向性、タイトル、見せたい体験 | 小さな一覧表示でも内容と雰囲気が伝わる | アート/公開 |
| 短尺動画/トレーラー粗編集 | 6〜20h | 見せられるプレイ映像 | 15〜30秒で「何をするゲームか」が伝わる | 公開 |
| 素材台帳の作成と更新 | 1〜2h初期 + 随時 | 素材の入手元 | 素材名、URL、ライセンス、確認日が残っている | QA/公開 |
| 時期 | 主な目的 | 作る成果物 | この時期に判断すること |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 前提をそろえる | 体験1文、参考作品分解、作らないリスト、共同開発ルール草案 | 作りたい体験は短く説明できるか |
| 2週目 | 紙と仮画面で検証する | コアループ図、白箱ステージ、簡単な操作メモ | プレイヤーが何を判断するゲームか |
| 3〜4週目 | 1ループを動かす | 仮素材プロトタイプ、ビルド、初見テスト記録 | 3〜10分で面白さの芽が見えるか |
| 5〜6週目 | 縦切り版を作る | 1場面だけ完成に近い画面、音、UI、リトライ導線 | この品質で量産できるか |
| 7〜9週目 | 内容を増やす | ステージ/ギミック追加、演出追加、素材台帳、バグリスト | 増やしても面白さが薄まらないか |
| 10週目 | 公開準備を始める | ストア文、スクショ、短尺動画、デモ候補ビルド | itch.io/Steamのどちらを先に出すか |
| 11週目 | 直す | 重大バグ修正、難易度調整、音量調整、説明改善 | 発売/公開を止める問題が残っていないか |
| 12週目 | 公開またはデモ配布 | 公開ビルド、リリースノート、問い合わせ先、次回改善リスト | 正式販売に進むか、もう一度検証するか |
| 作業 | 完了と言える状態 | 未完了の典型 |
|---|---|---|
| 体験設計 | 初見の人に10秒で説明でき、4人全員が同じ説明をできる | 雰囲気だけ決まり、プレイヤーの行動が言えない |
| プロトタイプ | 他人のPCで起動し、3〜10分の1ループを最後まで遊べる | 開発者の環境でしか動かない、勝敗や終了がない |
| 縦切り版 | 1場面だけ、画面・音・UI・失敗処理・リトライが製品に近い | 素材は綺麗だが操作や判定が仮のまま |
| QA | 重大度、再現手順、ビルド番号、担当者が記録されている | Discordの雑談にバグ報告が流れて残らない |
| 公開準備 | ストア説明、スクショ、動画、ロゴ、連絡先、素材権利がそろっている | ゲームは動くが、販売ページに載せる情報がない |
結論は「固定費を抑えて、学びやすい構成から始める」です。選定は好みではなく、作りたい体験とチームの学習コストで決めます。
日本語情報、教材、アセットが多い。2D/3Dどちらにも対応しやすく、初心者が詰まった時に検索で戻りやすい。
注意: Personal/Pro条件は公式料金ページで確認。
MITライセンスで始めやすい。2Dや小規模3D、固定費を抑えたいチームに向く。
注意: コンソールや商用支援はUnity/Unrealより確認が必要。
リアル寄り一人称3Dや高品質ライティングに強い。学習負荷とPC負荷は高め。
注意: ロイヤリティ条件はEULAで確認。
| 用途 | 最初の推奨 | 有料化するタイミング |
|---|---|---|
| エンジン | Unity Personal / Godot / Unreal | 収益条件やチーム規模が変わる時 |
| コード | VS Code、Visual Studio Community | 効率重視でRider等を検討する時 |
| 3D | Blender | テクスチャや専門DCCが必要な時 |
| 2D/UI | Krita、Figma、Aseprite | 制作量が増え、共同編集や効率が必要な時 |
| 音 | Audacity、無料/有料素材 | 編集やミックス品質を上げたい時 |
| 管理 | GitHub、Discord、Trello/Notion | 大容量素材、権限管理、外注が増えた時 |
無料ツール中心。Steam登録費、小さな素材購入、検証用の実費だけで始める構成です。
有料素材、音、フォント、ドメイン、最低限の法務確認まで入れた現実的な構成です。
キービジュアル、トレーラー、音楽、広告、イベント、専門家確認を含めると一気に増えます。
| 構成 | 初期費用の概算 | 年間/継続費の概算 | 含まれるもの | 向いている状況 |
|---|---|---|---|---|
| 最小構成 PCあり | 2万〜5万円 | 0〜2万円 | 無料エンジン、無料制作ツール、Steam登録費、少額素材 | 最初の検証、itch.io無料配布、短編デモ |
| 標準構成 PCあり | 12万〜40万円 | 2万〜8万円 | Steam登録費、有料素材、音源、フォント、ドメイン、少額法務確認、予備費 | Steam短編販売、チームで真面目に1本作る場合 |
| 拡張構成 PCあり | 60万〜300万円以上 | 10万円以上 | 外注アート、トレーラー、BGM制作、広告、展示、専門家確認 | 販売前提で品質と露出を上げる場合 |
| PCを4人分新調 | 上記に +60万〜120万円 | 保守/買い替え別 | 1人15万〜30万円程度の開発PCを4人分 | 現PCでUnity/Unreal/Blenderが重い場合 |
| Unity Pro等が必要になった場合 | 原則、初期は不要 | 約35.6万円/年/人目安 | 2,200 USD/年/シートを1 USD=162円で概算 | 売上/資金調達など公式条件の閾値を超える場合 |
税、為替手数料、地域差、セール、公式価格改定は含まない概算です。1 USD = 162円で丸めており、実購入前に必ず公式価格を再確認します。
| 構成 | 費用の内訳例 | チーム合計 | 4人で均等負担した場合 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 最小構成 | Steam登録 約16,200円 + 少額素材 5,000〜10,000円 + 音/フォント 0〜5,000円 + 予備費 0〜15,000円 | 約2万〜5万円 | 約5,000〜12,500円/人 | まず検証するための最低限。PC購入と外注は含まない。 |
| 標準構成 | Steam登録 約16,200円 + 素材 4万〜8万円 + 音 2万〜5万円 + フォント/ドメイン 0.5万〜2.5万円 + 法務確認 3万〜15万円 + 予備費 2万〜5万円 | 約12万〜40万円 | 約3万〜10万円/人 | Steam短編販売を現実的に狙うライン。外注の大物はまだ含めない。 |
| 外注・広告あり | 標準構成 + キービジュアル 5万〜30万円 + トレーラー 5万〜30万円 + BGM/SE外注 5万〜30万円 + 広告/展示 10万〜100万円以上 + 追加法務 | 約60万〜300万円以上 | 約15万〜75万円以上/人 | 完成度と露出を買う構成。縦切り版で方向性が固まってから検討する。 |
| PCも新調 | 各構成 + 開発PC 15万〜30万円 × 4人 | 上記 + 約60万〜120万円 | 約15万〜30万円/人を追加 | UnrealやBlender作業が重い場合に検討。既存PCで動くなら初回は後回し。 |
| 費用項目 | 必須度 | 最小構成 | 標準構成 | 拡張構成 | 発生タイミング |
|---|---|---|---|---|---|
| Steam Direct登録費 | Steamなら必須 | 100 USD、約16,200円/アプリ | 同左 | 複数タイトルなら本数分 | Steamページ作成前 |
| itch.io公開 | 任意 | 初期費用0円 | 販売時の手数料/支払い条件を確認 | 支援者向けページやデモ配布にも利用 | 試遊配布時 |
| Unity Personal | Unityなら確認 | 条件内なら無料 | 条件内なら無料 | 売上/資金調達が増えたら有料プラン確認 | エンジン選定時 |
| Unreal Engine | Unrealなら確認 | 初期費用0円 | 初期費用0円 | 100万USD超の総収益から5%ロイヤリティ対象 | 商用化前 |
| Godot | Godotなら確認 | 0円 | 0円 | 必要に応じて外部支援/移植費 | エンジン選定時 |
| Apple Developer Program | App Storeなら必須 | 後回し | 99 USD/年、約16,000円 | 毎年更新 | iOS/macOS公開時 |
| Google Play Console | Google Playなら必須 | 後回し | 25 USD、約4,100円/一度のみ | 追加審査/運用対応 | Android公開時 |
| 2D/ドット絵ツール | 任意 | 無料ツール | Asepriteなど約3,000円台/人 | Photoshop等のサブスク | アート制作開始時 |
| 音編集/DAW | 任意 | Audacity等0円 | REAPER割引ライセンス約9,700円目安 | 商用/高機能DAWや外注 | 音を作り込む時 |
| アセット購入 | ほぼ必要 | 0〜1万円 | 1万〜8万円 | 10万〜50万円以上 | プロトタイプ後 |
| BGM/効果音 | ほぼ必要 | 無料素材中心 | 1万〜5万円 | 5万〜30万円以上 | 縦切り版以降 |
| フォント | 必要 | 商用可無料フォント | 0〜2万円 | ブランド用フォント購入 | UI/ストア制作時 |
| Web/ドメイン | 任意 | 0円 | 年1,500〜5,000円 | LP制作や有料ホスティング | Steamページ公開前後 |
| Git LFS/クラウド保管 | 素材量次第 | 0円 | 月0〜5,000円 | 大容量ストレージ/バックアップ | 素材が増えた時 |
| 法務/契約相談 | 推奨 | 自作合意書 | 3万〜15万円 | 継続相談、商標、法人化 | 販売前、外注前 |
| 外注アート/音/動画 | 任意 | なし | 5万〜30万円 | 30万〜200万円以上 | 縦切り版で方向性確定後 |
| 広告/イベント | 任意 | 0円 | 0〜10万円 | 10万〜100万円以上 | デモ/発売前 |
0〜5万円。無料ツールと仮素材で1ループを試す。販売判断はまだしない。
15万〜35万円。Steam登録費、素材、音、フォント、少額法務確認、予備費を含める。
60万円以上。キービジュアル、トレーラー、BGM、広告、イベント出展まで考える。
ゲームを作るだけでは公開できません。どこで配るか、どんなストア素材が必要か、いつ審査があるかを知っておくと、企画段階から必要作業を見積もれます。
| 公開先 | 初回適性 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| itch.io | 試遊・無料配布に強い | 軽く公開でき、フィードバックを集めやすい | 商用の主戦場としてはSteamより弱い場合がある |
| Steam | PC販売の本命 | ウィッシュリスト、レビュー、配信者導線が強い | 登録費、審査、近日登場期間、ストア素材が必要 |
| BOOTH / DLsite | 国内補助 | 国内創作・同人向けに使いやすい | ターゲット層とゲーム内容の相性を見る |
| App Store / Google Play | 初回は後回し | ユーザー数は大きい | ストア規約、端末検証、操作設計、集客が別物 |
| コンソール | 当ててから移植 | ヒット後の展開先になる | 開発機、NDA、審査、移植コストが重い |
| 必要物 | 何に使うか | 作る担当の例 | 準備タイミング |
|---|---|---|---|
| ストア説明文 | ゲーム内容、特徴、プレイ時間、対応言語を伝える | 企画担当 + 公開担当 | Steamページ公開前 |
| スクリーンショット | 実際のプレイ画面を見せる。雰囲気だけでなく操作や目的が伝わる画が必要 | アート担当 + QA担当 | 縦切り版以降 |
| カプセル画像/キービジュアル | Steamなどの一覧でクリックされるための画像 | アート担当、必要なら外注 | ページ公開前 |
| トレーラー/短尺動画 | SNS、Steam、実況者向けに体験を短く伝える | 公開担当 + 全員で素材提供 | デモ公開前後 |
| ビルドと動作環境 | Windows/Macなどで実際に遊べるファイルと最低スペック | 実装担当 + QA担当 | 毎週の確認、公開直前に確定 |
| レーティング/年齢区分 | ストアや地域に応じて必要になる年齢区分 | 公開担当 | ストア提出前 |
| サポート導線 | 不具合報告、問い合わせ、実況ガイドライン、連絡先 | 公開担当 | 発売前 |
| 権利証跡 | 素材・フォント・音源・AI生成物の利用条件を説明できる状態 | QA/公開担当 + 全員 | 素材を入れたその日から |
| 差し引かれる/考慮するもの | 何が起きるか | 会議前に理解しておくこと |
|---|---|---|
| ストア手数料 | Steam、App Store、Google Playなどは販売額からプラットフォーム手数料を差し引く | 売上金額と入金額は違う。比率や条件は各ストア公式/契約で確認する。 |
| 税金・消費税/VAT | 地域や販売形態によって税処理が入る | 税務は自己判断しすぎず、販売前に確認する。 |
| 返金・チャージバック | 購入後に返金されると、売上として残らない | 短編ゲームほど説明文と期待値調整が重要。 |
| 為替・送金 | 海外ストアでは通貨換算、送金、銀行手数料が発生する場合がある | 外貨表示の金額をそのまま円の手取りと見ない。 |
| 先に回収する経費 | Steam登録費、素材、外注、広告などを売上から先に戻すかを決める必要がある | 収益分配の前に、経費回収ルールを文書化する。 |
| メンバー分配 | 残った利益を人数、役割、作業量、契約に応じて分ける | 「4等分」か「担当比率」か「代表に集約」かを早めに決める。 |
ストアページとゲームビルドの審査は、それぞれ3〜5営業日を見込みます。差し戻しがあると延びます。
発売予定日の少なくとも7日前にはストアページとビルドを提出する前提でスケジュールを組みます。
Steamでは発売前にComing Soonページを最低2週間公開する必要があります。公開準備は完成後ではなく制作中から始めます。
4人では専任分業より兼任が自然です。ただし「責任者は1作業に1人」だけは守る必要があります。全員でやる作業と、誰かが最終判断を持つ作業を分けて理解します。
| 人 | 主担当 | 兼任 | 最初の成果物 |
|---|---|---|---|
| A | 体験設計 | レベル、議事録 | 体験1文、コアループ図 |
| B | 実装 | ビルド、Git | 1ループの試作 |
| C | アート/音 | UI、仮素材 | 仮画面、仮SE、雰囲気案 |
| D | QA/公開 | ストア調査、試遊記録 | テスト表、公開準備リスト |
| 作業 | 主担当 | 支援 | 成果物 | 曖昧にすると起きる問題 |
|---|---|---|---|---|
| コアループ設計 | 体験設計担当 | 全員 | 観察、判断、行動、結果の1枚メモ | 面白さの判断基準が人によって変わる |
| Git/ビルド管理 | 実装担当 | QA担当 | 共有リポジトリ、ビルド手順、配布先 | 誰の環境でも動く状態を作れない |
| ステージ白箱 | 体験設計担当 | アート担当、実装担当 | 仮配置のプレイ空間 | 見た目制作に入ってから導線を作り直す |
| アート方向性 | アート担当 | 体験設計担当 | 色、形、画面密度、参考画像 | 素材ごとに雰囲気がばらつく |
| SE/BGM方針 | アート/音担当 | QA担当 | SEリスト、音量基準、素材台帳 | 音が最後まで仮のままになり、体験の手触りが弱くなる |
| UI/設定 | 実装担当 | アート担当 | タイトル、ポーズ、リトライ、音量設定 | 遊べるが製品として使いにくい |
| テスト計画 | QA担当 | 全員 | テスト表、バグリスト、初見プレイ記録 | バグや不満が雑談に流れて直らない |
| Steam/itch.io準備 | 公開担当 | アート担当、実装担当 | 説明文、画像、動画、ビルド、価格案 | ゲーム完成後に公開素材がなくて止まる |
| 共同開発ルール | 代表/進行担当 | 全員 | 収益分配、費用精算、離脱時ルール | 売れた時、抜けた時、外注した時に揉める |
できたこと、動くもの、スクショ、ビルドを見せる。口頭説明だけにしない。
詰まり、仕様の迷い、バグ、素材不足を出す。責める場にしない。
担当、期限、完了条件を決める。作らないリストも毎週見る。
初心者チームが後で詰まりやすいのは、完成前に見えにくい領域です。合意書、素材台帳、試遊記録、ストア素材は早めに小さく始めます。
共同開発の収益分配、著作権、離脱時ルール、素材ライセンス、フォント、音源、AI生成物を記録します。
専門家確認が必要: 契約、税務、商標、権利譲渡、法人化。
クラッシュやバグだけでなく、初見で伝わるか、酔わないか、もう一度遊びたいかを確認します。
テスターは身内 → 友人外 → Discord/コミュニティ → デモへ段階拡大。
ストア説明文、スクリーンショット、短尺動画、デモ、実況者向け素材を、発売直前ではなく制作中から貯めます。
短時間ゲームは「見た瞬間に分かる」素材が重要。
| リスク | 影響 | 今すぐやる予防策 | 専門家確認 |
|---|---|---|---|
| 共同開発の権利・収益が未定 | 当たった瞬間に揉める | A4 1〜2枚で合意書を作る | 販売前に推奨 |
| 素材ライセンス不明 | 公開停止、差し替え | 素材台帳を作り、URLと条件を記録 | 怪しい素材は相談 |
| 参考作品の表層模倣 | 炎上、差別化不能 | 学ぶ要素/避ける要素を分ける | 商標・著作物は必要に応じて |
| 試遊が身内だけ | 面白さを誤判定 | 初見3〜5人から記録を取る | 不要 |
| ストア素材が遅い | 公開が遅れる | スクショと短尺動画を制作中から保存 | 不要 |
| 重大度 | 例 | リリース判断 | 対応の考え方 |
|---|---|---|---|
| S: 致命的 | クラッシュ、進行不能、セーブ破損、起動できない | 公開停止 | 直るまで発売/公開しない。再現手順とログを最優先で集める。 |
| A: 重大 | 操作不能、音が出ない、重要UIが読めない、重要ギミックが壊れる | 原則公開前に修正 | 頻度が低くても体験を壊すなら優先。応急処置も検討する。 |
| B: 中程度 | 表示崩れ、軽い引っかかり、誤字、一部環境だけの問題 | 状況次第 | 発売前に直すのが理想。残すなら既知の問題として管理する。 |
| C: 軽微 | 細かい違和感、演出の粗さ、調整余地 | パッチ対応可 | 発売後改善リストに回せるが、積みすぎると印象が悪くなる。 |
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 素材名 | ファイル名、用途、配置場所 |
| 入手元 | URL、作者名、購入日/取得日 |
| ライセンス | 商用利用、改変、クレジット、再配布の条件 |
| 証跡 | 購入履歴、スクショ、規約確認日 |
ここは会議の進行表ではありません。この資料を読んだ人が、企画会議に参加する前に説明できるべき前提知識を確認するためのチェックです。
| 論点 | なぜ必要か | この資料で見る場所 | 各自が考えること |
|---|---|---|---|
| どんな体験を作りたいか | ゲームの方向性、作業量、公開先がここから決まる | 面白さの作り方 | 参考作品の好きな要素を、見た目ではなく構造で書く |
| 1本目の規模をどこまで小さくするか | 初心者チームはスコープ過多で止まりやすい | 最初の1ヶ月と制作工程 | 3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月のどれを狙うか考える |
| どのエンジンで始めるか | 学習コスト、PC負荷、素材入手性が変わる | エンジン・ツール・費用 | 自分のPCでUnity/Godot/Unrealを動かせるか確認する |
| 初期予算はいくらまで出せるか | Steam登録、有料素材、外注、法務確認の判断に必要 | 費用の全体結論 | 0〜5万、15〜30万、60万以上のどの感覚か考える |
| 公開先はどこを第一候補にするか | 必要素材、審査、集客方法、操作設計が変わる | 公開先と販売準備 | itch.io試遊、Steam販売、モバイル後回しのどれが現実的か考える |
| 4人の仮担当をどう分けるか | 担当不明の作業は最後まで残る | 4人チームの分担 | 自分が主担当にできそうな領域と、避けたい領域を書く |
| 権利とお金をどう扱うか | 売れた時、抜けた時、外注した時に揉めないため | 法務・QA・マーケ | 収益分配、費用立替、素材利用の不安点を書き出す |
「実際に発生する作業」と「成果物ベースで見る12週間の進み方」に戻る。
「費用の全体結論」と「何にいくら必要か」を読み、PCあり/なしで分けて考える。
「公開時にゲーム本体以外で必要になるもの」を読み、作る素材を確認する。
金額・規約・公開条件は変わるため、実際に登録・購入する前に必ず公式ページで再確認してください。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| コアループ | プレイヤーが繰り返す基本行動の輪。 |
| プロトタイプ | 面白さを検証するための試作品。 |
| 縦切り版 | 完成品質の最小単位。1場面だけ最後まで磨いたもの。 |
| ゲームエンジン | Unity、Godot、Unrealなど、ゲーム制作の土台になるソフトウェア。 |
| シーン | タイトル画面、ステージ、メニューなど、ゲーム内の画面/場面単位。 |
| オブジェクト | プレイヤー、壁、カメラ、ボタンなど、シーン内に置く部品。 |
| コンポーネント | 見た目、物理、スクリプト、当たり判定など、オブジェクトに付ける機能。 |
| Prefab / テンプレート | 同じ敵、ボタン、ギミックなどを再利用するための部品化されたデータ。 |
| アセット | 画像、3Dモデル、音、フォント、コード部品など、ゲームに入れる素材。 |
| 当たり判定 | ぶつかった、触れた、範囲に入ったなどを判定する仕組み。 |
| 入力 | キーボード、マウス、コントローラー、タッチ操作などを受け取る仕組み。 |
| カメラ | プレイヤーに何を見せるかを決める視点。3Dでは酔いやすさにも影響する。 |
| UI | タイトル、メニュー、設定、字幕、説明、リトライなどの操作画面。 |
| フィードバック | 音、光、揺れ、アニメーション、表示でプレイヤーの行動結果を返すこと。 |
| ビルド | 開発中のゲームを、他人のPCでも遊べる形に書き出すこと。 |
| Git | 変更履歴を残し、複数人で作業するための仕組み。 |
| ブランチ | Git上で作業を分けるための枝。機能追加や修正を分離できる。 |
| コンフリクト | 複数人が同じ箇所を変更し、どちらを採用するか判断が必要になる状態。 |
| チケット | 作業を小さく切ったタスク。担当、期限、完了条件を持たせる。 |
| QA | バグ、遊びやすさ、理解しやすさ、動作環境を確認する品質保証作業。 |
| スモークテスト | 起動、開始、終了など、最低限壊れていないかを見る短い確認。 |
| リグレッション | 前は動いていた機能が、修正後に壊れること。 |
| ストアページ | Steamやitch.ioなどで、ゲーム説明、画像、動画、価格を載せる販売ページ。 |
| カプセル画像 | Steamなどの一覧で表示される宣伝用画像。クリック率に影響する。 |
| ウィッシュリスト | Steamでユーザーが発売前/購入前に興味を登録する仕組み。 |
| レーティング | 年齢区分。ストアや地域によって必要になる。 |
| ライセンス | 素材やツールをどの範囲で使えるかを定めた条件。商用利用、改変、クレジットが重要。 |
| ロイヤリティ | 売上や収益に応じて支払う利用料。 |
| NDA | 秘密保持契約。未公開情報やプラットフォーム情報を外に出さない約束。 |
| パッチ | 公開後にバグ修正や改善を配布する更新。 |